建設工事と言っても様々な形態があり、建設業法では、以下の表のように区分しています。
ご自身の取得したい許可がなんであるか、今一度確認しましょう。
業種区分 | 建設工事の業種 | |||
一式業種 (2業種) |
土木工事業 建築工事業 | |||
専門業種 (27業種) |
大工工事業 |
タイル・れんが・ ブロック工事業 |
ガラス工事業 | 造園工事業 |
左官工事業 | 鋼構造物工事業 | 防水工事業 | さく井工事業 | |
とび・土工工事業 | 鉄筋工事業 | 内装仕上工事業 | 建具工事業 | |
石工事業 | 舗装工事業 | 機械器具設置工事業 | 水道施設工事業 | |
屋根工事業 | しゅんせつ工事業 | 熱絶縁工事業 | 消防施設工事業 | |
電気工事業 | 板金工事業 | 電気通信工事業 | 清掃施設工事業 | |
管工事業 | 塗装工事業 | 解体工事業 |
一式業種とは、
「原則として元請業者の立場で土木と建築に関して総合的な企画、下請け業者への指導、調整のマネジメントを行いつつ、自社及び複数の下請け業者等の建設技術を用いて大規模かつ複雑な土木・建築工事を施工するための業種」のことです。
専門業種とは、
「各専門的工事を施工するための業種」のことです。平成28年6月1日に、【とび・土工工事業】から独立して、新たに【解体工事業】が追加されました。
建設業許可は、
によって区分されています。
建設業の区分 |
発注者と元請との 工事請負契約の 請負代金 (消費税込) |
発注者から直接受注した 工事につき元請からの
下請工事の請負金額 |
元請からの下請工事 それ以降の下請工事の 請負金額 (消費税込) |
一般建設業 | 制限なし |
4,000万円未満 6,000万円未満) |
制限なし |
特定建設業 |
4,000万円以上 (建築工事一式については 6,000万円以上) |
「一般」か「特定」かの区別は、元請と下請けとの請負契約の発注額によって決まります。
発注者から元請が受注する請負金額とは無関係です。
建設業の区分 |
定義 |
申請先 |
知事許可 |
1つの都道府県でのみ建設業法に基づく 営業所を設ける場合 |
各都道府県知事 |
国土交通大臣許可 |
都道府県にまたがって建設業法に基づく
営業所を設ける場合 |
主たる営業所を管轄する地方整備局等 (国土交通大臣の許可の権限の委任機関) |
建設業許可には、
5年の有効期限があります。
有効期限後も建設業許可を維持したい場合は、「更新手続」を監督官庁に申請しなければなりません。
いつから更新手続が可能かは都道府県によって異なりますが、
有効期間の満了する日の30日前までに手続きを行うこととされています。
ここまでの内容を表にまとめると以下のようになります。
一般建設業 |
特定建設業 |
|
知事許可 |
一般・知事許可 申請先:各都道府県知事 |
特定・知事許可 申請先:各都道府県知事 |
国土交通大臣許可 |
一般・大臣許可 申請先:営業所を管轄する地方整備局 |
特定・大臣許可 申請先:営業所を管轄する地方整備局 |
ご自身が取得したい許可が何になるのか、だれの許可が必要なのか、今一度確認しましょう。
建設業の許可を受けるためには、4つの「許可要件」を満たすこと及び「欠格要件」に該当しないことが 必要です。
許可要件
欠格要件
法人である場合においては役員のうち常勤であるもののうち一人が、個人である場合には本人又は支配人 のうち一人が、経営業務について一定の経験を有することが必要です。【法第7条第1号】
●「役員のうち常勤であるもの」とは、原則として本社、本店等において休日その他勤務を要しない日を除き、 一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者をいいます。
●「経営業務の管理責任者としての経験」とは、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執 行等建設業の経営業務について総合的に管理した経験をいい、具体的には、業務を執行する社員、取締役、執行役若 しくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長等の地位にあって経営 業務を総合的に執行した経験をいいます。
業種 |
許可を受けようとする建設業と 同じ建設業の経営経験 |
許可を受けようとする建設業と 違う建設業の経営経験 |
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経験の内容 | 経営業務の管理責任者としての経験 |
【経営業務の管理責任者に準ずる地位】 (★) 執行役員等としての経験(a) |
【経営業務の管理責任者に準ずる地位】 (★) 経営業務を補佐した経験(b) |
経営業務の管理責任者としての経験 |
【経営業務の管理責任者に準ずる地位】 (★) 執行役員等としての経営管理経験(a) |
経験期間の地位 | 業務を執行する社員、取締役、執行役若し くは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長等 (営業取引上対外的に責任を有する地 位) | 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験 | 業務を執行する社員、取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支 配人その他支店長、営業所長等営業取引上対外的に責任を有する地位に次ぐ職制上の地位 |
業務を執行する社員、取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人そ の他支店長、営業所長等(営業取引上対外的に 責任を有する地位) |
経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権 限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験 |
必要年数 | 5年 | 6年 | 6年 | ||
根拠法令等 | 法第7条第1号イ | 法第7条第1号ロ告示(昭和47年3月8日第351号)第1号イ | 法第7条第1号ロ告示(昭和47年3月8日第351号)第1号ロ | 法第7条第1号ロ告示(昭和47年3月8日第351号)第2号イ | 法第7条第1号ロ告示(昭和47年3月8日第351号) 第2号ロ |
建設業の許可を取得するためには、許可の要件を満たす必要があります。監督官庁は、「人材」「施設」「財産」の「3つの観点」から検討します。
〈経営業務の管理責任者の要件を満たす経験内容の例 〉
★「経営業務の管理責任者に準ずる地位」の経験とは・・・
(a)執行役員等としての経営管理経験 取締役会の決議により業務執行権限の委譲を受け、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な 業務執行に専念した経験
(b)経営業務を補佐した経験 許可を受けようとする建設業に関する建設工事に必要とされる資金調達、技術者等の配置、下請業 者との契約締結等の経営業務に従事した経験
※詳しい内容については、個別相談になります。
建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、建設工事についての専門知識が必要になります。請負契約に関する見積、入札、契約締結等の業務の中心は各営業所にあることから、営業所 ごとに許可を受けようとする建設業に関する国家資格や実務経験を有する技術者を専任で配置することが 必要です。【法第7条第2号】
「専任」とは・・・ その営業所に常勤して専らその職務に従事することをいいます。従って、雇用契約等により事業主体 と継続的な関係を有し、休日その他勤務を要しない日を除き、通常の勤務時間中はその営業所に勤務し得るものでなければなりません。 次のような者は、原則として「専任」とは認められません。
「営業所における専任技術者」は現場の主任技術者又は監理技術者になることができません!
例外として営業所の専任技術者が工事現場の主任技術者等を兼ねるためには、次の4つの要件すべてを満 たす必要があります。
専任技術者は、許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか、またどの業種かにより、必要となる技術資格要件の内容が異なります。営業所の専任技術者となり得る技術資格要件は以下のとおりです。
一般建設業の専任技術者となり得る技術資格要件 | 特定建設業の専任技術者となり得る技術資格要件 |
一定の国家資格等【注1】を有する者 | 一定の国家資格等【注1】を有する者 |
②許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、 下記のいずれかの実務経験【注2】を有する者
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②一般建設業の専任技術者となり得る要件(①~③のいずれ か)を有し、かつ、許可を受けようとする建設業に係る建 設工事に関して、発注者から直接請け負い、その請負代金 の額が4,500万円以上【注6】であるものについて2 年以上の指導監督的な実務の経験【注7】を有する者 ただし、指定建設業【注8】は除きます。 |
③その他
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③その他
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〔注1〕 営業所専任技術者となり得る国家資格者等一覧
〔注2〕 実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいい、建設工事の発注に当たって設計技術者として 設計に従事し、又は現場監督技術者として監督に従事した経験、土工及びその見習いに従事した経験等も含まれますが、た だ単に建設工事の雑務のみの経験については含まれません。
〔注4〕 一般建設業の営業所専任技術者となり得る「複数業種に係る実務経験」一覧
〔注5〕 国土交通大臣の個別審査は、国土交通省 土地・建設産業局 建設業課に問い合わせる必要があります。
〔注6〕以下についても4,500万円以上の建設工事に関する実務の経験とみなされます。
〔注7〕 指導監督的な実務の経験とは、建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
〔注8〕 指定建設業とは以下のとおり 土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、ほ装工事業、造園工事業 / 計7業種
〔注9〕 この特別認定講習及び考査については、過去の法律等改正時に経過措置的に行われたものですので、現在、新規に当該講習等を受けることはできません。
許可を受けようとする者が法人である場合においては、当該法人・役員等(非常勤含む)・施行令第3条に規定する使用人が、個人である場合においては本人・支配人・施行令第3条に規定する使用人が、請負契約に関して「不正」又は「不誠実」な行為をするおそれが明らかでないことが必要です。【法第7条第3号】
【不正な行為】とは、、、
【不誠実な行為】とは、、、
誠実性を満たさない者の例
倒産することが明白である場合を除き、建設業の請負契約を履行するに足りる以下の財産的基礎又は金銭的信用を有していることが必要です。既存の企業にあっては直前の決算期における財務諸表において、新規設立の企業にあっては創業時における財務諸表において判断します。
一般建設業の許可を受ける場合 | 特定建設業の許可を受ける場合 |
次のいずれかに該当すること
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次のすべてに該当すること
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●「自己資本」とは
●「500万円以上の資金を調達する能力」とは
●「欠損の額」とは
●「流動比率」とは
●「資本金」とは
【補足事項】
財産的基礎等の基準に適合するか否かは当該許可を行う際に判断するものなので、許可を受けた後にこの基準に適合しないことになっても直ちに許可の効力に影響を及ぼすものではありません。
許可を受けようとする者が以下の①又は②に該当する場合は、許可を受けることができません。【法第8条】